ローカル・ガストロノミー

ローカルガストロノミーアワードを開催しませんか?

2023年03月28日
【新潟ガストロノミーアワード、次回は2025年!】
 
新潟ガストロノミーアワードの大賞発表から2週間。時が経つにつれ、共感の輪が広がっていることを感じています。新潟県内の各地で料理人の勉強会が発足したり、お祝い会が開かれたり。そして他県からは「どうやったら自県で実現できるのか?」という質問も多くいただいています。
 
レストランの評価には『ミシュランガイド』や『ゴ・エ・ミヨ』などたくさんの指標があります。これらはブランド価値が高いだけでなく、信頼性もまた特別です。そのような指標があるなかで、「地域限定アワードを実施する意味はなんなのか」。答えは「単なるレストラン指標ではなく、地域の農林水産業や加工業、製造業とどれだけ深く関わっているかという視点で表彰することに意義がある」ということです。
 
もちろん「美味しいこと」は重要。しかしこれからの旅行者は「美味しいだけの店」よりも「行く意味と意義のある店」を選びます。
 
活力のある地域とはどんな地域を指すのでしょうか。経済力の強い地域であることはもちろんですが、総じて経済力が低下している地方においては「意味と意義のある店(企業)」が何軒あるのか? が重要なのではないでしょうか。
 
このアワードはそんな「意味と意義のある店(企業)」を表彰することで、それぞれの事業者のレベルをより一層向上させ、さらに地域内連携を加速させるためにさまざまなアイデアと仕組みを取り入れています。
 
今後、新潟では2年に一度のアワード開催、そして中間の年には前年受賞店舗の情報発信や新店舗の表彰、勉強会の開催等を行なっていく予定です。
 
そして私たちが今、強く望むのが、「この新潟ガストロノミーアワードの仕組みを日本全国に広げたい」ということ。ガストロノミーツーリズム全盛の今、新潟の成功を多くの地域に広げたいと考えています。
 
以下は新潟ガストロノミーアワードが創設された背景。読んでいただいて「よし!どんな矢が飛んできても自分が受け止める」と共感いただいた自治体や観光協会の方と一緒に、その土地、その土地のアワードを作っていきたいと思っています。
 
【真の公民連携に向けて】
 
新潟はガストロノミー・ツーリズム先進県。今でこそ各県が、競って「欧米に倣ってガストロノミーツーリズムを!」「食で地域活性化を」と、食をツーリズムの中心に掲げていますが、新潟県内でこの動きが始まったのは2010年のこと。雪国観光圏でスタートした雪国A級グルメをはじめ、新潟市周辺ではシェフの勉強会「ラボクチ」が結成されたり、長岡では「ガストロノミー研究会」が発足したりと、小さいながらもたくさんの動きが始まりました。
 
そんな動きをすかさずサポートするのが新潟県の凄いところ。近年「公民連携」という言葉を各所で聞きますが、新潟県の動きはまさにそれ。2019年には「日本海美食旅(日本海ガストロノミー)」キャンペーンが全県で始まり、2020年には「ミシュランガイド新潟特別版」が出版されてこの動きを後押し、いまや新潟県は世界中の人々から注目される「美味しいものが集まるエリア」になりつつあります。
 
そんな動きをさらに加速させるために始まったのが今回の「新潟ガストロノミーアワード」。新潟の風土・文化・歴史を大切にしている県内の素晴らしい飲食店、宿泊施設、お土産品を表彰することで「さらにみんなで上を目指そう!」というプロジェクトです。
 
主催は新潟県観光協会とローカル・ガストロノミー協会。新潟県観光協会が予算を組み、ローカル・ガストロノミー協会がアワードの枠組みを決め、岩佐が総合プロデューサーという形で参画し、様々な調整や審査委員とのやりとりを行うことで成り立ちました。
 
このプロジェクト、県観光協会主催のプロジェクトとしてはかなり尖ったものです。なぜなら日本では公の団体が「この店が素晴らしい」と明言することは従来なかったから。観光協会に「どのお店が美味しいですか?」と聞いても「どの店も個性的で美味しいです」という答えしか返ってこないのが現実。観光協会としては「団体としてまとまってくれないと応援できない」という本音も。そうなると小さなお店、特に自分の技術と表現力向上に集中する一匹狼的なレストランはどうしても「蚊帳の外」になってしまいます。
 
しかし実際には他県からの旅行者にとって、そういったレストランがイメージを牽引しているのも事実。一方でそういったレストランは地域の飲食店との関係性が希薄なことも事実で、「このギャップを埋めていかないと真のガストロノミーツーリズム先進県にはなれない」ということなのです。
 
そのギャップを埋めるために重要な役割を果たしているのが、私たち、ローカルガストロノミー協会です。
 
ガストロノミーツーリズムの素晴らしいところは、県内の農林水産業従事者が潤い、日本酒はもちろんそれ以外の加工業、そして街の居酒屋までもが潤うことです。
 
2023年3月9日、新潟ガストロノミーアワードは、事前に発表していた飲食店部門100、旅館・ホテル部門30、特産物部門30のリストの中から、大賞と特別賞を発表しました。
嬉しかったことは、受賞者のほとんどが授賞式に参加してくださったこと。また、県内外のジャーナリストや他県の視察が多かったことも印象的でした。
 
この動きを日本各地へ。そして新潟が「ガストロノミー・ツーリズム先進県」としてさらに飛躍できるよう、頑張っていきたいと思っています。
 
新潟ガストロノミーアワード
総合プロデューサー
岩佐十良
 

「新潟ガストロノミーアワード」公式サイト
https://niigata-gastronomy-award.jp/

 

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