ローカル・ガストロノミー

奈良県で開催された「ガストロノミーツーリズム国内フォーラム」へ。

2022年09月09日

【単なるグルメ旅ではありません!】



奈良県で開催された「ガストロノミーツーリズム国内フォーラム」へ。欧米諸国と比べると周回遅れ、アジア各国と比べても遅れをとっていた日本のガストロノミーツーリズムですが、やっと「地域活性化の切り札」と各地で認識されてきました。特に都道府県の若手幹部職員の間で意識が高まっているように感じます。


新潟県内ではこの動きに先駆け、2010年から雪国観光圏でガストロノミーツーリズムの取り組みをスタート。さらに2019年にはこの動きが全県に広がり、「日本海ガストロノミー」(現在は新潟ガストロノミー)と題した大キャンペーンに発展、豊かな食のまち、新潟としての認知度を少しずつ上げていますが、今回はその事例を話してきました。



そのなかで僕が強調したのは下記。



1、ガストロノミーツーリズムは単なるグルメ旅ではないこと。
2、食が内包する風土・文化・歴史を料理に表現してこそ、ガストロノミーツーリズムのコンテンツになり得ること。
3、ガストロノミーツーリズムでは、従来のような「観光」だけを考えるのではなく、一次産業、二次産業と深く連携する必要があること。
4、ガストロノミーとは、料理技術を追求するだけでなく、自然科学や文化人類学、さらに宗教や哲学的要素まで含めた総合学問であること。
5、ガストロノミーツーリズムで成功するには、強力な公民連携、そして民間事業者の地域連携と情報共有が必要であること。
6、ガストロノミーツーリズムの裾野は広く、成功した際には高級レストランへの恩恵より、地域の一般的な飲食店や一次産業従事者への経済効果の方がはるかに高いこと。



基調講演、パネルディスカッションのモデレーターと5時間ほぼしゃべりっぱなし。終了時にはドッと疲れましたが、全国から集まった都道府県担当者の関心が高く、手応えを感じた1日でもありました。
2022年12月12〜15日には奈良県で「第7回UNWTO ガストロノミーツーリズム世界フォーラム」も開かれます。日本のガストロノミーツーリズムに火がつくことを期待しています。



一般社団法人ローカル・ガストロノミー協会 代表理事
岩佐 十良

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